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2007年1月30日 (火)

[for your information] 里山を保全する理由

○里山は日本の自然の代表格、しかし、危機に瀕しています

日本人は、古来、水田と畑、里山(雑木林)、そして民家を主要な構成要素とする生産と生活の単位「里地」(さとち)をつくってきました。今僕たちが「日本の自然」として思い出す風景は、田畑と林という里地の風景で、美しい里山・里地こそが、日本の自然の代表格です。

しかし、今、里山・里地は、見捨てられ、本来の姿を失いつつあります。輸入農産物に押されて田畑は使われなくなり、継続的に手を入れて育ててきた里山は手入れをする人がいなくなって、荒れています。これまでは、地域の人の手でなんとか維持されてきたものの、役割を失った里山は未来を失って、崩壊しつつあります。

○里山は見落とされた存在になりつつあります

森林を大きく分けると、(1)原生林、(2)商業林、(3)里山に分けられます。一般的に考えると、原生林と商業林の価値はわかりやすいといえます。原生林はその土地に太古の昔から存在している森林で、文字通りの自然のままの状態が保たれているという意味で、非常貴重です。しかし日本では本当に原生林といえる森は限られていて、一見原生林に見える森林も、実は古くは林業などが行われて利用されてきたということもよくあります。原生林を残せば、森林が保全されているいえるかというと、そういうわけではありません。

商業林は、主に針葉樹が植えられ、日本には木曽ヒノキや秋田杉など、美林・銘木の産地が各地にありました。これらの商業林は、今は海外からの輸入木材に押されて商業的に成り立たなくなり、崩壊寸前と言うところも珍しくありません。しかし国や自治体の林業政策も打たれているので、苦戦しつつもなんとか維持・利用されて、森林としての機能を果たしているところも多くあります。

これに対して里山林は、原生林でもないし、商業林でもない存在で、国土の20%程度、全森林の30%程度を占めているのですが、この森林を今後どのようにしていくかは、現状、明快な方針もなく、放置されているのが現状です。その背景にある大きな理由が、里山林が人々の生活に近いために、多くが私有地であり、その利用や管理が地主個人に負かされているという点にあります。地主が林を顧みなくなったり、手を入れる手間やコストを負担できなくなることによって、里山林は放置され、危機に陥っているのです。

○里山は利用することで意味があります

里山には、大きく(1)たい肥の原料をとる、(2)燃料をとる、(3)キノコなどの恵みをとる、の3つの機能があります。しかし(1)は化学肥料に、(2)は石油やガスに、(3)はハウス栽培に置き換えられたことによって、里山は目的を失って、誰も利用しなくなりました。

利用しなくなれば、里山本来のようすはじょじょに崩れ、荒れた状態になります。「自然が自然のままになるのだからいいじゃないか」と都会人は考えがちですが、そうではありません。日本の自然を代表する里山は、人間が(1)~(3)のように利用することによって、その姿を保ち、またそこに、豊かな生態系が存在してました。カブトムシ、クワガタムシ、カエル、リス、野鳥、タヌキやキツネなど、いずれも里山が人間の手によって利用されていたからこそ、多く存在できる生き物です。人間が手を入れるのをやめて放置されると、これらの生き物は生きられなくなり、里山はそこにあっても、生き物の影は薄くなってしまうのです。

景観の面でも、里山は他の森林に比べて、ほっとする美しさがあります。落葉広葉樹を中心にした里山は、春には新緑、夏は濃い緑、秋には黄色や赤に色付いて落葉し、冬は良く日が差して明るい山になります。ほどよく間伐された林は、人が足を踏み入れやすく、木陰を散策することができます。

里山は、人が利用し、手入れをすることで、自然のままにするより豊かな生き物をはぐくみ、人にも生き物にも住み心地の良い空間になるのであって、「使わないなら自然のままでいい」というのは、里山の「自然としてのよさ」をも失わせることになるのです。

「ヤマガラの森」では、伐採された隣地に新たに植林を行って里山を復活させた上で、長期間にわたって維持管理を行う予定です。これによって、里山本来の、豊かな生態系を復活させ、「ヤマガラの森」に関わる人々、そして地域の人々に気持ちの良い里山の自然を味わってもらうことを目的にしています。

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» 2007年3月 川崎 岡上 散策 [マイ・つるかわ・生活〜鶴川住人日記、東京近郊おでかけメモ、キャンプのメモ]
 前回の、彼岸桜からちょっと岡上を散策。いつも里山散策を楽しんでいる場所でもあります。  鶴川駅から鶴見川を渡り、岡上の坂道を上がると、首都圏とは思えないような、ひなびた地域が広がります。こんな、道を見るとここはどこなのか、しかし懐かしい風景が広がります。 春になり、畑仕事をされている方もおりました。  尾根伝いに歩いていると、住民の方に声をかけられました。この丘からは、夜空がとてもきれいだそうです。今日は、曇っているけど、晴れの日には丹沢までが一... [続きを読む]

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