2006年、新年のごあいさつ

新年のごあいさつを申し上げます。

2005年に起きたことで印象に残っていることは、JR西日本の福知山線脱線事故、耐震強度偽装事件、それに小泉首相の総選挙圧勝、というところでしょうか。

国際的な事件は比較的少なかったように感じられましたが、その一方で、米国によるイラクの占領統治は欺瞞に満ちて失敗しつつあるし、イスラエルの方向転換も不気味です。欧州ではフランスで移民が「氾濫」をおこし、これは日本ではあまりニュースにはなりませんが、ドイツ他にも通奏低音のように広がっているようです。日本は、小泉首相の意図的な政策によって東アジアで孤立しつつあり、今のところ大きな問題にはなっていないものの、新年はどのように動いていくか、これも不気味です。

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小泉総理、今年も靖国参拝

今年も靖国参拝が行われました。改めて、この問題を整理しておきます。

総理の靖国参拝にはふたつの面があると思います。ひとつは、アジア諸国との外交問題。もうひとつが日本国民自身にとってのあの戦争に対する責任問題です。これをきっちり分けて考えることが重要ですが、常に議論が混線しているのではないでしょうか。

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15年戦争の、論点(1) ~対中国戦略

(1)日本は満州事変、日中戦争の戦略をどのように立てたのか。戦争の出口を用意していたのか?

このイシューは、これまでのところあまり出てきていないのですが、1931年、日本は併合した朝鮮の国境線を越えて、満州に進出し、満州国を建国します。さらに1937年になると、日本は中国と交戦状態になり、全面戦争に入ります。ただし、日本と中国が互いに宣戦布告しておらず戦争状態といえるのかという点については議論があるようですが、まあそういうことは置いておきましょう。7月の盧溝橋事件を発端に、12月の首都南京陥落までの半年に、日本は中国戦線を一気に拡大するわけですが、そもそもこの戦争について、日本は何のために戦争を始め、どこで終わらせようとしていたのかを考える必要があると思っています。結果的に、日本はこの戦争を終わらせるために、対米戦を開始すると考えられるわけですが、そもそもこの戦争を戦略的に開始できなかったところに、大きな問題があったのではないかというのが、僕が指摘したい点です。

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15年戦争、開戦判断の是非のイシュー

靖国と消防士という記事へのコメントでXさんと議論が続いています。コメントが長くなってきたので、新しい記事を立てます。

Xさん、実に詳しいですね。僕は詳細な史実をひとつひとつ覚えるというアプローチをしていないので、反論のほうも、ひとつひとつ確認していく形はとりません。

それと、イシューが細部に入り込んでいるので、もう一度確認したいと思います。

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小泉改革、破壊のあとに来るものは?

郵政民営化を巡ってついに解散。やってくれるじゃないの。
で、ネットをうろうろしていたら、興味深いコラムがふたつ。

ひとつは「新しい歴史をつくる会」=守旧派の総本山、西尾幹二のコラムで(pacolog!を読んでいただいてる方はおわかりと思いますが、僕とはまったく対極的な見解の持ち主、まあ、天敵のような感じですね)、

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靖国神社、本質的な誤解で美化されている

靖国問題と絡んで、例によって、小林よしのりが、関連作品を集めた本を緊急出版。靖国は、日本の伝統的な信仰であって、戦争の賛美じゃない、みたいなことで、アジア諸国からの反論をかわそうとしているのだけれど、ちょっと待った。

グロービスの堀さんも「日本人は死んだ人を神として祀った」というようなことが書いているけれど、そういう思想そのものが、明治期の国家体制を整えるあいだにつくられた、ねつ造、という言い方が悪ければ、「体制を支える新しい思想」である、という事実は、知られていない。

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「つくる会」歴史教科書を採択

まったく、これってどうなってるの?
あんな偏向教科書が、なぜ採択されるのか、そのメカニズムを知りたい。

────────────────────────────────────杉並区教委、中学23校に「つくる会」歴史教科書を採択

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考えるイシュー(2):これからの夏休みの過ごし方

「先見力強化ノート」「考え方のつくり方」を読んでくれたみなさん、あるいは、読んでいなくても、関心があるみなさんへ。先見力や価値観を付けるための練習問題(2)です。

「これから」の夏休みの過ごし方

夏本番、今週、来週、あたりはお休みという人も多いと思います。休暇の長さも、以前と比べればずいぶん長くなって、9連休がとれる人も多いかもしれません。短い方は、怒っちゃうかもしれませんね、すいませんm(_ _)m。 「先見力」の観点では、「これからの日本人の休暇の過ごし方は、どんな変化が起きてくるか」というイシューになるでしょうか。 「考え方(価値観)」では、「休暇について、どんな価値を見いだすのがよいか」というイシューになるかもしれません。 それぞれ、自分なりのイシューを設定してから、考えたことをコメントで書き込んでみてください。

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軸をもって情報をとる

シュウさんが、コメントで「歴史軸、世界軸、未来の萌芽、先を見る人の意見という枠組みで考えるということ、とても参考になりました。そこで改めて思ったのは、ファクトをしっかり集められる力が必要だなということです。」と書いてくれたのですが、その点についてもう少し詳しく。

確かに情報をとる力は重要なのですが、本当に必要な情報をスピーディにとるためには、自分の側に今ほしい情報について、視点というか、切り口というか、イシューをもっておくことがとても重要です。というより、イシュー(問題意識)をもっていないと、情報はいったん自分に入っても素通りしてしまい、使いこなせないのです。

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読者のみなさんへ

「考え方のつくり方」「先見力強化ノート」の読者のみなさん、こんにちは。

読んでいただいての感想もおまちしています。こちらにコメントして書いてもらってもよいし、僕あて直メールでもかまいません。

いろいろ思うとこともあると思いますので、ぜひ聞かせてください。

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