Sustainabilityに関する調査報告書 発表会に行ってきました
イースクエアからの案内で、「Sustainabilityに関する調査報告書 発表会」に行ってきました。
イースクエアと東大の山本良一さんが中心になって、現在の世界のサステナビリティに関する知見を、公平中立に調査し、コンパクトにまとめたという今回の報告書は、日本発のサステナビリティに関する総合的な知見として注目されます。
できあがった報告書はA4版250ページにおよび、現在、世界中の科学者が、自然科学の見地から、環境と持続可能性について考えていることを網羅、報告しています。この報告書自体は、中立を旨としているため、科学としての適性が高いと思われるものを軸に報告していますが、反論、その反論への反論も含めて、十分検討されています。
PDF版がダウンロードできるので、ぜひご一読ください。
そうそう、報告会は経団連ホールで行われ、200人近い人が集まったのではないでしょうか、ビジネスパースン、それもマネジャクラスの方が多いようでした。知り合いの顔もちらほら見えたのですが、あとを急いでいたので、ごあいさつもできませんでしたが。
以下、発表会の主な内容を、その場でメモした走り書きです、参考までに。
Sustainabilityに関する調査報告書 発表会の主な発言
■調査の目的と概要
by 山本良一
Sustainabilityに科学的な根拠を与える調査
経団連の後援
日動火災の財政的支援
イースクエアとの共同プロジェクト
自然科学的基礎についての調査
人文科学的基礎の知見が不足しているのは認める
内外160名の専門家へのヒアリング
中立的な見解を出す
科学者の社会的責任である
専門家集団として社会への提言やアドバイスなどの社会的責任がある
今年は日本の環境政策の見直しの年
Post京都議定書の議論が始まる
環境と経済の好循環をおこす
・環境と学問の好循環→縦割りから横割りの科学へ
・環境と政治の好循環→
170名の学者の情報を事務局が判断し、掲載。
文責は事務局にある。
中立的な見地からまとめている。
さまざまな領域で危機に直面している
■報告書のオーバービュー
by ピーダーゼン
●位置づけ
IPCC
国連生態系調査
UNEP 地球環境展望
世界資源研究所 世界資源報告書
ワールドウォッチ研究所
米パシフィック研究所
日本からの発信をしたい
●Sustainabilityとは何か
現代世代のニーズを満たしながら、将来世代の配慮がされていること
全人類が発展の果実を享受できること
物質。資源の面ではなく、世界の有限性、生物種の保全
倫理観の重要性
●20世紀後半の地球
1950→2000
人口爆発から、やや落ちてきている
2.5倍に増えた
2000→2050
90億人になる→あと25億人がふえる
資源消費は、石油7倍、発電容量は21倍
ぜんたいとして豊かになった
一方発展の果実は享受されているか?
8億人が飢餓、貧困の中にある。
多くの途上国で、人間の発展は後退している。
豊かな10カ国と、貧困の20カ国の差は広がる一方である。
経済成長と環境負荷の逆転デカップリングはどこも実現できていない
●環境はどうなっているか
○IPCCコンセンサス
温暖化の事実→人間活動が原因→温室効果ガス
反論への反論
→氷期からの回復だけでは今の急速な気温情報は説明できない
気候モデルのためのデータが確かか
→5つのシミュレーションがそれぞれ共通して出ている
→海洋上のデータが少ないが、衛星からのデータがある、解析が高精度化して いる
→太陽活動の影響ではない
→火山活動だけでは不十分
○エネルギー
エネルギー消費は倍増
今後30年で、さらに1.6倍
豊かさの分配はもっと続く
ピークオイル仮説
資源が半分以下に減ると、生産量が減り、生産コストが増える
2010年に半分になる
2026または2048年に半分になる?
→代替資源があるのでピークオイルは来ない
石油1バレル159Lをほるのに5トンの土砂
日本の自給率 4%
省エネルギー
ここ10年で冷蔵庫78%
エアコン30%
消費エネルギーは増加しているデカップリングができていない
○資源と廃棄物
資源は枯渇するのか?
資源消費は増えている→途上国
枯渇しない→地球の地下の1%以下しか使っていない
コスト、経済面からの枯渇が起きる
資源の品位が下がっている
廃棄物問題
社会問題ではないのか?
日本の資源循環
資源効率は80年代からあたまひとつ出た
循環しているのは14%、まだまだだが最先端
3Rイニシアティブ
○食糧、水、森林
飢餓が8億人
2050年までには現在の2.25倍の食糧が必要になる
現在の食糧問題→3.6秒にひとりが餓死、子どもが75%
食糧危機は起きる説→レスターブラウン
食糧危機は起きない→分配の問題
アフリカではまだ食糧増産が可能
農漁業生産高は20世紀は増加したが多くはピークを越えた
→養殖は可能性があるが……
○生物多様性
2.3%の面積に75%の絶滅危惧種がいる→日本も生物多様性ホットスポット
同じ場所での個体数の変化を30年みる
熱帯の陸の種 75%減少
ミレニアム生態系調査→★おもしろい報告
自然の24のサービス→70%がピークを打っている
○まとめ
再生不可能な資源は価格高騰が起きている→絶対的な枯渇は当面はないが、長期的には、環境破壊、経済的な枯渇はある
気候、生物多様性は、大きな変化が起き、危機的
食糧、資源、森林、漁業資源→再生性が落ちている
●第三部
●第四部
環境評価指標ライム
●第5部
人間活動は地球の収容力を超えているのか?
「成長の限界」72年
「成長の限界を超えて」
「30年のアップデート」
エコロジカルフットプリント
→生産に対して、どのぐらいの面積が必要か?
→85年で地球1個分→今は1.2個分になっていて、借金状態
持続可能な社会
縦軸 エコロジカルフットプリント
横軸 人間開発指標 HDI
★経済を倫理で縛れるか?★
人類がどこに向かっているのか?正しい選択の知恵を持っているのか?
■
前三重県知事、北川まさやす
パラダイムシフトのための、強い権力がいる
持続可能性がマニフェストに組み込まれるように
政治合理性
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