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September 2005

家庭用燃料電池「1台50万円に」 エネ庁、量産へ支援

燃料電池は、自動車の実用化の話題が最近出てきませんが、家庭用の定置型の開発は着々と進んでいるようです。都市ガスを燃料とするタイプの場合、燃料電池とガスタービンとの競争になりそうですが、燃料電池のほうが効率はよいのではないでしょうか。

どちらも、基本は発電機で、都市ガス(天然ガス)、LPG、灯油などを燃料にして発電して、家庭に供給します。電力は家庭の使用量分程度になるような出力で700~1kwというのはおおむねそれに相当します。

ただ発電するだけでは、環境によいというわけではありません。どちらの方法でも、発電の際、廃熱が出ます。この廃熱でお湯を沸かし、家庭のキッチンや風呂で使えば、ガスや石油がもっているエネルギーの70~80%ほどを使い切ることができるようになり、いまのしくみよりエネルギーのムダがなくなります。発電の際に出る廃熱を、いかに無駄なく利用するかがキーになるわけです。この廃熱は70~90℃程度のお湯の形をとっているために、「温廃熱の有効利用のためのインフラ整備」がCO2削減の重要な切り札になる、ということになります。

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15年戦争の、論点(3) ~日米開戦決断の是非

(3)日本は対中戦の最中に、対米戦までも決意した。その判断は適切だったのか。

1930年代を通じて、日米はぎくしゃくした点はあったにしても、日本は米国から石油と鉄鋼の大半を輸入し、それに頼って軍備も拡張している状況でした。

日本海軍は確かに当時の軍としては大きなものだったにしても、ワシントン条約で規定された海軍備は英国:米国:日本=5:5:3ということからもわかるとおり、仮に米国と戦争になれば原理的には5:3の比率で戦うことになる状況でした。「日本海軍は米国と戦うようにはつくられていません」と山本五十六も開戦を拒んでいます。

そもそも日本には、中国と米国、ふたつの戦争を同時に戦う国力があったのか。そして戦う国力があるという判断は妥当だったのか。開戦にあたって、戦争終結のシナリオはあったのか。

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15年戦争の、論点(2) ~1930年代の日米関係

(2)1930年代の日米関係は戦争への必然を含んでいたのか?

Xさんは当時の日米関係について、悪化していたと言っていますが、悪化していることと、実際に開戦を容認することとは、大きな隔たりがあります。当時の米国は、モンロー宣言が生きている時代で、南北アメリカ大陸での孤立、それ以外との不干渉を掲げていました。1933年に就任したフランクリン・ルーズベルトは、一貫して米国大陸外への軍の派遣を否定しているし、憲法も含めて、そのような戦争を認める規定はなかったのです。

確かに、ブロック経済化によって日本は打撃を受けるわけですが、貿易摩擦を相手国との戦争で解決しようという判断は、飛躍が大きすぎ、合理的とは言えません。

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15年戦争の、論点(1) ~対中国戦略

(1)日本は満州事変、日中戦争の戦略をどのように立てたのか。戦争の出口を用意していたのか?

このイシューは、これまでのところあまり出てきていないのですが、1931年、日本は併合した朝鮮の国境線を越えて、満州に進出し、満州国を建国します。さらに1937年になると、日本は中国と交戦状態になり、全面戦争に入ります。ただし、日本と中国が互いに宣戦布告しておらず戦争状態といえるのかという点については議論があるようですが、まあそういうことは置いておきましょう。7月の盧溝橋事件を発端に、12月の首都南京陥落までの半年に、日本は中国戦線を一気に拡大するわけですが、そもそもこの戦争について、日本は何のために戦争を始め、どこで終わらせようとしていたのかを考える必要があると思っています。結果的に、日本はこの戦争を終わらせるために、対米戦を開始すると考えられるわけですが、そもそもこの戦争を戦略的に開始できなかったところに、大きな問題があったのではないかというのが、僕が指摘したい点です。

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15年戦争、開戦判断の是非のイシュー

靖国と消防士という記事へのコメントでXさんと議論が続いています。コメントが長くなってきたので、新しい記事を立てます。

Xさん、実に詳しいですね。僕は詳細な史実をひとつひとつ覚えるというアプローチをしていないので、反論のほうも、ひとつひとつ確認していく形はとりません。

それと、イシューが細部に入り込んでいるので、もう一度確認したいと思います。

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環境ダイナマイトグランプリ開催中

IMGP0645環境ダイナマイトのグランプリが始まりました。現場からの中継です(^_^)。ファイナリスト7組が午前から午後にかけて順次プレゼンに望んでいます。写真は2組目です。

また報告しますね~(^_^)

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自然再生に向けた総合計画作成へ 環境など3省

環境、国土交通、農林水産の3省が合同で環境配慮型の行動計画を立てて実行する、とのこと。よく読むと「5全総」などという言葉も見えるので、旧建設省が盛んにつくっていた全国総合開発計画(要するに土建屋さんによる開発)の、リニュアル番田ということがわかります。21世紀らしく、横の連携をつくり、環境や健康というようなキーワードを加えて耳にやさしくしつつ、そして予算が付かない環境省としては、金回りのいい省から一部を環境予算に回してもらいつつ、という省の利害をめぐる考えがすけすけの計画ですね。

結局、公共事業で食えなくなった土建屋さんに、環境面での仕事(森の管理や山の再生)をやってもらいましょうという感じではあり、長野県の田中知事のいう「ダムをやめて、山を守る」の国バージョン、ということになりそうです。

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進化論に対抗し、神の「知的計画」

「ID」論というのを知ってますか? 神の知的計画、と訳されます。何のことやら、という感じだと思いますが、米国で、以前から、そしていま堂々と検討されている世界観です。

米国は科学の国と思われがちですが、ところがどっこい、とっても神学的、宗教的な国でもあります。何しろ大統領の就任には「神に向かって宣誓」があるし、そもそも建国したのは、イギリスにいた清教徒(ピューリタン)で、離婚を認めるなど堕落した英国国教会に嫌気がさし、本来のキリスト教徒たらんとした宗教心旺盛な人々が、新天地を求めて新大陸に渡り、建国したのが米国なのですね。資本主義の総本山の米国ですが、資本主義はキリスト教のプロテスタントから生まれた思想で、人間が禁欲的に労働し、それによって蓄積された富を神に捧げるという考え方から発展してきました。原理的に言えば、資本主義でもうけを出すことは神に仕えることで、米国はとっても神様と仲良しの国なのです。

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原宿ロハス倶楽部、始動

http://www.nissenmedia.com/series/index.php?id=49
今年3月に異業種30社(者)が集まり結成した「原宿LOHAS(ロハス)倶楽部」のビジネスが本格的に動き出した。

という話で、内容的には

衣料品アイテムを中心に先月、都内で行った初の展示会には百貨店バイヤーなど予想を大きく上回る来場者が訪れ、引き続き個別商談会を進めているところ。

①可能な限り健康と環境への負担を少なくしていく②できる限り理想的な領域へと近づける③例え満足できない領域であってもディスクローズする……

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