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フランスでも国家の必修に議論

「仏の小学校で国歌必修に 歌詞が残忍・差別的と異論も」という記事が。

日本の君が代と同じ構図ですね。フランスでは一方で公的場でのイスラムを象徴する格好(チャドルなど)の着用を禁ずる法律ができたり、リベラルと保守の両方が進行しているようです。

米国でもブッシュJr.対ゴア、ブッシュJr.対ケリーの大統領選に象徴されるような、リベラルと保守の対立や、地域間の対立で、国家が分裂する、内戦になるという説も出ているほどです。

日本でも靖国神社など国論が割れることが少しずつ増えてきて、今度の選挙で自民党が勝つようなことになれば、改憲も含めて、きわどい議論が起きていくでしょう。

一歩間違えれば、かつてのような、大きな過ちに進んでしまうかもしれない、その最初の芽が生まれるのも、こういうタイミングなのかもしれません。

すこし前のように、選挙にいっても行かなくても同じさ、誰が総理大臣になっても同じさ、という状況が確実に変わりつつあるのを感じます。民意がより多く反映されるのはいいことなのだけれど、フランスでさえ、国家が残酷な歌詞の国歌を「強制する」ことと、テレビ番組のほうがもっと残酷=選ぶことができるテレビ番組との違いがよくわかっていない批判が出るところを見ると、こういったことについての理解力は、国によってあまり差はないのでしょう。

国民が、ひとつひとつのイシューの難しさゆえにろくに考えられず、感覚的な反応をしてしまうことは、権力にとっては民主主義という名の権力の乱用ができる温床になります。それが民意なのだと言えばその通りなのでしょうが、キチンと考えられないようなイシューを設定して、感情的な支持を受け取れば権力がやりたいようにやれるという構図は、基本的にヒトラー以来変わっていない。という民主主義の進歩のなさが、70年の時を経て、亡霊のようによみがえりつつあるような気がして、選挙が盛り上がっていること自体がとても気になっています。

100年後、21世紀最初の10年が民主主義のターニングポイントだったと歴史家が著述することになるかもしれません。何が問題なのか、今ひとつつかみきれていないのだけれど、何かとっても危うい印象の、2005年選挙です。

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★仏の小学校で国歌必修に 歌詞が残忍・差別的と異論も

2005年08月30日23時27分

 9月の新学期から、フランスの小学校で国歌「ラ・マルセイエーズ」が必修として教えられることになった。春に改正された教育関連法に基づく措置だが、好戦的で血なまぐさい歌詞の内容から教師の間に異議を唱える声が出ている。

 教育省が新学期を前に「国歌と、国歌に関する歴史を含む共和国市民にふさわしい教育をするように」と各学校に念を押す通達を出したことから、教員の間で異論が噴き出した。

 仏メディアによると、やり玉に挙がっているのが歌詞の過激さ。フランス革命を支援するマルセイユ義勇軍に歌われただけに「武器を取れ」と勇ましく、直訳すれば「のどをかききる」などの残忍な表現も多い。「けがれし血をわれらが畑に注がしめよ」の部分については人種差別的という批判がかねてあった。

 このため、「丁寧に時代背景を教えないと子供は誤解する」「暴力的な歌詞を教えるよりも、出自にかかわらない平等を教える方が市民の教育にふさわしい」といった声が出た。「国歌を必修にすること自体がナショナリズムの強制」という意見もある。

 これに対して賛成派から「サッカーの試合で子供たちは歌詞に慣れている」「テレビ番組の方がよほど暴力的」といった反論も出ている。

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Comments

この記事、実は朝日新聞だけが書いているようなんですが、事実はどうなんでしょう。
yahoo!ニュースで「国歌」を検索しても、ほぼ国内のニュースのみ。
朝日新聞の普段の論調や報道姿勢からすると、フランスでこの問題がそんなに大きなものとして捉えられているか、国論を二分するようなものかどうかはもう少し慎重に捉えるべきかと思います。

また、これは言うまでもないことですが、君が代は別に好戦的で血生臭い歌詞ではないし、小学生に教えてもかまわないようなものですから、仮に朝日新聞が正確に実情を報道していたにしても、フランスの構図とは違うでしょう。

Posted by: X | September 11, 2005 at 16:51

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