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Alfa147、second impression! -ワインディングロードのハンドリング-

IMGP0135 このところかたい話題が続いたので、たまにはクルマネタ。
Alfa147のその後です。

2000kmを超えて、という話を前回書いたのですが、その後、距離を重ねて、まもなく5000km。納車から3か月です。けっこう乗ってますねえ。クルマは絶好調です。

今日は、六兼屋のある山梨県北西端から、東端の道志川中流の、県境にあるキャンプ場まで行ってきました。友だちがそこのバンガローに泊まるということで、昼間、河原でBBQやるからあそぼ~と誘われたわけです。東京から来る友人と、キャンプ場で合流、子どもたちは川で泳ぐし、食ったり飲んだりの楽しいディキャンプをやってきました。

で、この道程がなかなかAlfaにおあつらえ向けという道で、中央道を大月まで行き、河口湖線で次の都留(つる)ICで下り、道坂峠を越えて道志道を下流に下り、キャンプ場へ。帰りは来た道を戻り、都留に抜けずに山中湖・河口湖・大月経由で六兼屋に戻ってきました。往きは交通量が多めで本領発揮はできなかったのですが、帰りは気持ちよかった。前半は全走車をクリアできたので、タイト~中速コーナーが続く道を、僕自身のリミットの6~7割ぐらいの気持ちよいペースでとばします。若い頃と違うので、しゃかりきになったりはしませんよ、安全マージンを見て、民家が近くにない場合だけ、対抗が来ていなくてもラインはきっちり守って、でもとばします。

Alfaはこういうペースには実に味わい深いクルマで、特に低速~中速コーナーのハンドリングがすばらしい。「回頭性がいい」という表現はAlfaではよく使われるのですが、この表現から感じるのは、直進からステアリングを切り込んだときにノーズがすっと曲がるという感じです。確かにすっと曲がるのですが、中立付近から切ったときのステアリングレスポンスそのものが鋭敏だというわけではありません。サスペンションをがちがちに固めたスポーティカーなら、切ったらいきなり横Gが立ち上がるのですが、Alfaの場合、さすがソフトなので、いったん外側が沈み込み、沈みながらノーズが切れていく。通常のFF車では、加重が外側に移動してから横Gが立ち上がるのに対して、Alfaでは加重が移動しながらノーズが回っていく。その時に、クルマが旋回するのにつれて減速Gが発生するので、ふつうならフロントが沈んでいく(前のめりになっていく)のですが、フロントとリアが同時、もしくは若干リアの方が先に沈んで行く感じが独特。これが回頭性のよさを感じさせるのですね。

その後、コーナーのクリッピングポイント(CP=コーナリング時にもっともIN側に近づく点)に向けてさらに切り込んでいくわけですが、すでに加重は外側、とくにFF車ではフロント外側にかかっているので、フロント外側のタイヤがコーナリングフォースを出すことが限界に近づき、回転はじょじょに外にふくらんでいくアンダーステアが強くなっていきます。ふつうのスポーティカーではサスペンションを固めて突っ張るようにし、太くてグリップのいいタイヤでコーナリングフォースを発生させるわけですが、Alfaでは十分深くロールさせて、タイヤも決して太すぎず、グリップもよすぎないタイヤなのに、この状態からステアリングを切り込んでもアンダーステアを発生させずにノーズがINにむいていきます。この、コーナリング中盤にアンダーが少ない、ニュートラルステアな感触、さらに横Gがかなり発生している状態で、切り増ししていってもリニアにノーズがINにむいていく特性。これがAlfaのスポーツ性能なんですね。

で、実際にはこんなにのんびりしていないので、こんな感じです。ややタイト、2速で飛び込む下り左コーナー(僕はなぜか右より左コーナーが好き)。林の間からコーナーの向こう側に対抗が来ていないか確認しつつ、右のカーブミラーで対抗を確認、ラインをセンターよりぎりぎりにとってコーナーにアプローチします。2速エンジンブレーキで、6000回転。コーというアルファサウンド。ブレーキングはきっちりコーナー手前で終えて、一息余裕を持って左手をステアリングの最上部に持ち替え、最初はやや早めにステアリングを切り込んでいくと、まず加重が右に移動して、フロントとリアが同時に沈み込み、それに一瞬遅れてノーズがINを向き始める。横Gが急速に立ち上がってクルマはコーナーの角度よりやや深めにINを向いている状態です。僕は助手席側の窓からコーナーの奥を見ているわけですが、さらにコーナーが深いのを確認すると、ややアクセルを踏み込み気味にしてコーナリングによる減速を抑え、トルクをかけることでクルマを安定させる。で、さらにステアリングをちょい切り、ちょい戻しでクルマを軽く揺すりながら断続的にINをむかせてCP直前にステアリングをほぼ戻す動作にはいる。コーナーの向こうの直線が見えてくるので、ここでアクセルを全開にして一気に脱出、という感じです。

P1070152 ここで、コーナー中盤でステアリングをちょい切りする(多角形コーナリング)のは、アンダーステアが強いFF車のアンダー消しのテクニックで、VWゴルフ、ルノーメガーヌのようなアンダーが強いクルマに乗っていた癖。実際にはAlfaにはこんな小技は必要なく、中盤での切り増しもていねいに切っていけばノーズがむいてくれる、その瞬間が一番気持ちがいいわけです。他に、FFの場合、アンダー消しのテクニックがあり、コーナー侵入時にステアリングを切り始めるときまでブレーキングを残し、フロント外側に荷重をかける方法と、アンダーが出てきた瞬間にアクセルを軽く戻してフロント外側の加重をゆるめ、コーナリングフォースを回復させてアンダーを消すテクニックが代表格。でも、これらはクルマの理想的な挙動ではなく、やっていてもどうしても小技をきかせてごまかしている、こざかしさが残るわけです。Alfaはこういうことをやらなくても、セオリー通りできっちり回ってくれる。しかもその間、クルマが曲がっているのではなく、自分がコントロールしている感触がきっちりある。これが他のスポーティカーではない独特の味付けです。これをひとことで、スポーティ感だとか、回頭性のよさだとか、呼んでいるのですね。

もちろん、ここにエンジンのよさが加わるのですが、それについてはまたの機会に。

ただちょっと不満がブレーキ。効きそのものは悪くないし、感触も悪くないのですが、どこか頼りない。特にブレーキング初期の食いつき感が乏しいので、パッドを変えようかなと思っています。純正のブレーキパッドは削られて黒い粉もたくさん出るので(効きをよくするために、欧州車のブレーキは柔らかい、削られやすいパッドを使うことが多いので、粉が出てホイールが汚れる)、これもついでに解消したい。ただ、こういう重要パーツの交換はバランスを崩すことが多いので、効き過ぎるものをフロントだけ交換するのはどうかなと思うわけで、過敏に過ぎず、しっかり感が増すパッド、粉が出にくいパッドがあれば理想的。

ということで、Alfaのスポーツ性能に、けっこう納得させられているpacoでした。それにしても、こういう味わいを感じてしまうと、さらにスポーティな147GTAはどんな味わいなんだろうと、興味津々なのであった。

いやーいきってるっていいなあ、子どもができてからは、クルマ遊びは封印してきたのですが、再び目覚めてきてしまった。ちなみに、Alfaにしてから、とばしても娘が酔わなくなりました。きっと身体が健康になってきたせいでしょうけど、Alfaの挙動は、かえって酔いにくいのかも、と勝手に思っています。

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Comments

こんばんは。

pacoさんはセオリーどおりのドライビングをなさるようですね。最近のクルマはサス設定の概念も変わって、決してスローイン・ファストアウトでなくてもいいんだよ、なんていう話を聞くこともあるのですが、それでもアルファは旧来のセオリーで走ったほうが自然に走れるし、楽しく走れますよね。
限界の8割くらいまでに抑えて走るのがもっとも本領を発揮するのもおっしゃるとおりで、インテグラ・タイプRを試したアルファのテストドライバーが「これはレーシングカーだ(アルファの志向性とは違う)」と言ったという話もあります。極端に振れやすい日本人が生み出したハンドリングマシンがタイプRということでしょうか(笑

「多角形コーナリング」はむかし、小林彰太郎さんが吉田匠さんに注意した逸話を思い出しました^^

ブレーキタッチはたしかにナチュラルではないですね。マスターバックは右に移設されているのですが、ABSユニットが左のままという本質的な影響もあると思います。とはいえ、左ハンドルのブレーキタッチもバツグンにイイ!わけではないようなのですが。

Posted by: フレアー | August 18, 2005 at 22:42

フレアーさん、こんにちは!
鋭いコメント、ありがとうございます。

「サス設定が変わって、スローイン・ファストアウトでなくてもいいんだよ」というのは、どういうことから来ているんですか? 僕は最新事情にうといので、よくわからないのですが、公道を走る以上、見えないコーナーの先に何があっても安全に回避できる、というつもりで運転しなければなりませんよね。サーキットやラリーのSSならいいんでしょうけど、公道上で、限界ぎりぎりにつっこんでもクルマがなんとかしてくれるのかな??

僕が小さいクルマが好きなのは、絶対的な慣性マスが少しでも小さい方がいいからなんです。車重も軽い方がいいし、同じ重さなら、ボディが小さい方がいい。限界時のコントロールが少しでも効くので。だったら、マツダロードスターの方がいいじゃないかということもありますが、ひとりで峠道だけを走るわけではないですからね。

「多角形コーナリング」は僕も好きじゃないんです。ただ、アンダーが強いFFだと、ひとつの小技として使ってしまう、というレベルで。昔はTE71スプリンターに乗っていたので、そのころは、ほんの軽いテールスライドでアンダーを消してました。わずかなカウンターで止められる範囲に決まると、実に爽快。

「小林彰太郎さんが吉田匠さんに注意した逸話」もよかったら紹介してくださいませ。

Posted by: paco | August 19, 2005 at 03:21

吉田さんがCG編集部に入った頃、当時編集長だった小林さんに「コーナーを多角的に回りすぎる」と指摘されたそうです。でもその頃といえば、いわゆるアンダーの強いクルマが多い時代。Pacoさんのようなテクニックが使えなければ速く走れなかったんじゃないかと思うんですけどね^^

それこそ僕のような限界のげの字も見たことのないテクなし人間が、ぎりぎりで突っ込んでもクルマのほうでなんとかしてくれるようなのが最近の、とくに日本のスポーティカーかな、と思っています。(前回の僕のコメントで「最近のクルマはサス設定の概念も変わって」という言い方はヘンですね。その括りだと世界中の全車種が対象になっちゃうし、サス設定の概念なんか変わりようがないので明らかに間違った記述です。ゴメンナサイm(__)m)
サスのストロークやロールを小さくして、性能が向上したブレーキとタイヤに任せ、荷重移動もなんのそのでファストイン・ファストアウト、しかもコーナリングもイン・イン・インで行ってしまうクルマも珍しくないようです。で、これってクルマに依存し、また競技に特化したセッティングなんですよね。たしかに速いし、フールプルーフでキカイとして先進的ではあるのだろうけど、スピードやラップタイムといった目的要素が大きくなりすぎて、少なくとも僕のウデや使い方に合わない。
また仰るとおり公道を走るわけですから、そのようなクルマに見合うドライビングはやりようがありません。僕だったらもてあましちゃいます。
その点、アルファは日常でも操る実感を与えてくれる。過渡領域があることから「初期応答性の良さは演出」と言う向きもあるようですが、演出だろうがなんだろうが肌が合うもんは合うんでい!などと思ったりして。

それにしても自分を振り返ったら、pacoさん仰る小技をきかせてごまかす小賢しい運転をしているような気がします(笑)。けっこうタックイン(のマネごと)も使ってるような気がするし。

TE71は懐かしいですねー。ノッチバッククーペもかっこいいし、リフトバックもユニークでよかった。アレと初代FF時代のカローラ/スプリンターは好きでした。

Posted by: フレアー | August 19, 2005 at 19:31

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