常任理事国入りが日本外交のターニングポイントになるか?
日本政府は国連安保理事会の常任理事国になりたくてしょうがない。
何のために? 何が変わるの? という疑問には政府は答えていないのだけれど、まあそれはそれとして、イラクに自衛隊を派遣し、憲法を改正し、津波にはたくさんのカネとひとをだし、日本という国を政治的に影響力のある国にしようということなのでしょう。経済力も、文化の面でもこれだけ影響力の大きな国になったので、政治的にも影響力を持つ、というか責任を持つことを考えること自体は悪いとはいえないでしょう。「どのような責任を果たすつもりか」が重要なことには変わりがないけれど。
で、今回おもしろいと思ったのは、「町村外相がフランスに、中国の説得を頼む」という記事。中国や韓国とは歴史認識問題でかみ合わず、中国は日本の常任理事国入りを拒絶状態、そこで、フランス経由で説得を試みるというなりふり構わぬ行動です。みっともないという考えもあるでしょうが、こういうわかりやすい行動は、やっていくべきだと思うのですね。もちろん、それ以前に東アジア諸国と歴史認識をきちんと共通にしておく努力が先だと思うのだけれど。
その歴史認識にしても、中国がフランスに「日本の歴史認識を変えてくれ」と伝えてくれば、日本政府はどうするのだろう?? それを外圧として使いながら、歴史認識を正式に変えてしまうつもりなのかな。
ともあれ、日本の21世紀を占う、常任理事国入り問題、です。
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中国への働きかけ、仏に要請 常任理入りで町村外相
2005年05月05日01時53分
町村外相は4日昼(日本時間同日夜)、訪問先のパリ市内でフランスのバルニエ外相と会談し、日本が目指す国連安全保障理事会の常任理事国入りについて、「(現在の)常任理事国の支持が必要だ。中国の支持取り付けにも、お力添えを得たい」と協力を要請した。
会談でバルニエ外相は「日本の常任理事国入りを支持している」と改めて伝えたが、「(日本、ドイツ、インド、ブラジルの)G4だけでなく、他の国々とも話し合いを広げてほしい」と注文もつけた。町村外相は「中国の支持を得るべく話し合い、働きかけを続けていく」と応じた。
会談後、町村外相は記者団に「フランスと中国は大変友好的なので、フランスの力も借りながら、中国も最終的に日本の常任理事国入りを支持してくれるよう努力したい。我々の外交の大きな課題だ」と語った。
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