日本アニメ、外交に一役だって
日本のアニメはすごいです。
というより、世界の中での、日本のプレゼンスと言うことを考えた場合、今までは経済的なプレゼンスが圧倒的で、これからは政治的なプレゼンスが必要、という雰囲気になりつつあるわけだけれど、実際のところ、文化的なプレゼンスがこのふたつを圧倒しつつあるという点に注目すべきです。
アニメやゲームが世界の若者共通の文化になりつつあり、おそらくあと20~30年ぐらいして、今の10代20代が世界の一線でビジネスを展開するようになると、「君もドラゴンボールで育ったの?」という話が人のつながりを加速して、ビジネスのつながりもつくる、という時代が来るでしょう。
え?と思う人は、今の携帯ビジネスを見てください。世界をリードする日本の携帯サービスが目指しているものは、ウルトラセブンのテレビ電話ウォッチに原形があるのです。携帯サービスをリードしているマネジャクラスは、ウルトラセブン世代なんですよ。
もちろん、世界に大きな影響を与えている日本文化はアニメやゲームだけではありません。J-POPはアジア共通の音楽の目標になりつつあり、J-POPアーティストの多くが今や中国語や韓国語のあいさつができるようになってきている。BOAのように日本でヒットして本国でも人気のアーティストが生まれ、これからはまずシンガポールや上海でデビューし、日本に凱旋する日本人アーティストも生まれるでしょう。
ファッションではNYの5番街にブティックを持ち、でもセレブを中心に圧倒的なファンを持つNIGOはもちろん、日本の、特に裏原宿の古着ショップなどを定点観測する世界のファッションリーダーも多い。日本の若者ファッションの大胆な自由さは世界から注目され、まねされています。
日本の建築や街づくりに注目する外国人も多いし、日本のクラブシーンから世界に飛び出すDJも多い。
そうそう、映画もね、日本映画への評価は高まっていて、欧州では高い評価をえている北野たけし(座頭市はすごかった)、ハリウッドが注目する日本のホラーも、ますます元気、というかコワイ。
ダンスもすごいよ。今、HIPHOP系のダンスの人気と水準はすさまじく、若いおねいさん立ちを中心に、「一体何のために?」と思うほど、東京中にスクールがあり、踊りまくっています。
ということで、経済や政治面でぱっとしない、不景気だとばかり嘆いている諸兄は、ぜひ日本の若いはつらつとした文化に注目してください。
■日本アニメ、外交に一役 ODAで購入支援 外務省検討
asahi.comより
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世界で評価の高い日本アニメを、外交に役立てようと外務省が検討を始めた。政府の途上国援助(ODA)を使い、各国のテレビ局が番組放映権を購入する資金を援助する。商業ベースでは世界を席巻している日本発のアニメだが、放映権を買えない国も少なくないためだ。
日本のアニメは「ポケットモンスター」が約70カ国に進出するなど、海外で広く知られている。外務省は3月、各国での日本アニメの放映状況や影響を在外公館を通じて調査。その結果、「アニメをきっかけに日本語学習者が急増」「青少年に大きな影響力がある」といった報告が多数寄せられた、という。同省は「日本製アニメの普及で海外の若年層に『日本』を印象づけられる」と分析している。
そこでODAのうち文化遺産の保存や教育に使う資機材の購入に充てる「文化無償協力」枠(05年度で約24億円)を使い、放映権購入を支援することにした。すでに、国際交流基金が約1億円の予算で同様の支援を行っているが、規模を大幅に拡大する方針だ。
対象国は、中南米やアフリカを優先的に考えている。使用国が多い仏語やスペイン語圏をターゲットにすることで、吹き替えにかかる人件費を抑えるためだ。外務省の担当者は「民間では採算がとれずに見送っている地域や国に積極的に手を出したい」という。
昨年12月に設置された小泉首相の私的諮問機関「文化外交の推進に関する懇談会」の座長を務める青木保・法政大大学院特任教授は「アニメを入り口にして、ほかの日本文化に興味が発展する可能性がある」と語る。
課題は、制作会社が安く放映権を売ってくれるかどうか。制作会社の関係者によると、人気アニメの場合、相場は少なくとも1話あたり数百万円という。外務省は「知日派を増やし、日本の底力を上げるという観点から協力をお願いしたい」と理解を求めている。
■海外で放映された日本発のアニメの例
遊戯王デュエルモンスターズ 約70カ国
ポケットモンスター 約70カ国
デジモン(一連のシリーズ) 約60カ国
ドラゴンボール(同) 約45カ国
鉄腕アトム(同) 40カ国以上
ジャングル大帝(同) 約20カ国
※制作会社・テレビ局などによる
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