日韓関係、日本政府は何をしたいのか?
日本政府や自治体による、アジアへの挑発行動が続いています。
靖国参拝、歴史教科書問題、日の丸君が代の学校での義務付け、竹島、憲法改正。
今まであえて控えめにしておいたことをどんどんやるものだから、韓国や中国が神経をとがらせていて、この結果、トヨタが韓国で行う予定だったレクサスブランドの発表を中止、というか文書のみのリリースにしたというニュースも入ってきました。現実にビジネスにも影響が出るぐらい、関係が悪化している段階に入ったという意味です。
今なぜ、相手に理由もないのに、挑発行動ともとれるような行動を日本政府や自治体が取るのでしょうか? たぶん、偶然ではないでしょう。
おそらく、裏に控えているのが、自民党主導による憲法改正ではないかと思います。9条を改正して、自衛権を持つためには、自衛権を持つ必然性、つまり仮想的が必要で、ロシアが的とはいえなくなった今、韓国や中国と緊張関係にあるように見せることで、「だから自衛力を」という世論を醸成しようとしているのでしょうか。
現状、韓国や中国に日本を攻める理由はなく、北朝鮮はそもそも日本を攻めるような軍事力がない。とすると、今わざわざ挑発行動を日本が取る理由は、内政面、特に憲法改正ではないかと思います。で、なぜ憲法改正かというと、米軍がトランスフォーメーションの一環で日本から引いていく(グアムに主力を移す)中で、軍事的空白をつくらないために、日本の自衛隊がきちんと合法的に展開する必要がある。そのためには憲法解釈ではもう無理で、9条を改正して、自衛力を強化するべきだろう、ということをブッシュ政権からアドバイスを受けているのだと思います。日本の世論を、憲法改正に動かすために、あえて敵を作っているのが、一連の挑発行動ではないでしょうか。
なんともこそくな手段です。
憲法を改正するなら、その議論をきちんとすればいいのですが、一般市民の政政治への関心が低いために、情動的に世論を動かそうとしているのです。市民が「韓国や中国と敵対しているので、自衛力が必要」と言われて、9条改正に賛成するのを待っているのです。
国家は、国民なりの政府しか持てないという定理がありますが、政治的な議論がきちんとできない日本人には、こういうやり方を通す政府が生まれるのかもしれません。無関心は、一番リスキーなのです。
韓国が対日政策で新原則 「真の謝罪と反省」迫る
http://www.asahi.com/politics/update/0317/006.html
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韓国政府は17日、対日政策の新原則を発表し、竹島(韓国名・独島)や歴史教科書検定問題などで日本に「断固対処する」姿勢を強調した。未来志向を重視し「任期中は歴史問題を争点化しない」としてきた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の対日路線を事実上修正し、日本に「真の謝罪と反省」を改めて迫り、韓国人元慰安婦や被爆者に対する補償を要求した。
大統領府の国家安全保障会議(NSC)が17日決定、鄭東泳(チョン・ドンヨン)・統一相(NSC議長)が声明の形で明らかにした。16日の竹島条例制定により韓国内の反発が高まっていることを受け、日本に「断固たる姿勢」を示すことで、世論を沈静化させる狙いもあるとみられる。
声明は、竹島条例と検定申請中の一部の中学歴史教科書について「韓日友好に対する深刻な棄損で遺憾」と批判。こうした行動や一部政治家らの「妄言」が、日本の自発的な過去清算への努力を求めた盧政権の期待を裏切ったとの見解を示した。
声明はそのうえで9項目にわたる今後の日韓関係の基調と対応方針を提示。「(植民地支配の)真実究明、真の謝罪と反省、その後の許しと和解という世界の普遍的方式に基づいて歴史問題を解決していく」と述べ、日韓友好の前提として日本の「謝罪と反省」が不可欠だとの認識を示した。
竹島と教科書問題を巡る最近の動きに対しては「過去の植民地政策を正当化しようとしており、断固対処する」とした。
植民地時代の個人被害補償を巡っては、65年の日韓条約に基づいて「韓国政府が負担するものは直接解決する」とした。一方、元慰安婦や被爆者、サハリン在住の韓国人ら日韓条約当時、請求権問題の想定外だった人たちについては「日本政府が人権を尊重し、人類の普遍的な規範を順守して解決するよう促す」と指摘、道義的責任として日本が補償を行うべきだとの考えを表明した。
また、「日本はまず隣国の信頼を得ることが国連など国際社会で指導的な国家として尊敬される第一歩だと認識するべきだ」と述べ、日本が目指す国連常任理入りに当面、慎重な姿勢を示した。
一方で声明は政治、経済、文化の交流は継続し、友好関係を維持することも強調。韓国国民に対して「国家間の礼儀に反することがないように」と自制を促した。
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