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ユーロは理解を超えている?←クリシンの題材

「フジマキに聞け」という連載があって、金融の専門家・藤巻健史がユーロの今後の見通しについて、こんな意見が出ていました。

http://www.be.asahi.com/20050205/W15/0032.html
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ドルと円が固定相場だったらという仮定で考えてみると分かりやすい。人がドル預金を怖がるのは、金利でもうかる以上に、為替で損をする可能性があるからだ。が、固定相場制なら為替変動のリスクがなくなるので、金利がゼロに近い円で預金する人はいなくなるはずだ。
円預金のマーケットが消滅しては一大事だ。だから日銀はどんなに景気が悪かろうと、円もドルとまったく同じ金利にせざるを得なくなる。
欧州連合のユーロは、まさにその固定相場制なのだ。東欧諸国が加わり、経済格差が広がっているのに、「どの国も金利が同じ」などという事態がいつまでも続くのか。私の理解を超えている。
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で、これをクリシンしてみましょう。

たしかに同じユーロ圏で、異なる経済力の地域が含まれているので、指摘の通りなのだけれど、ひとつの経済圏にかなり経済力が異なる地域が含まれているのは芽ずっらしいことではありません。米国では豊かな層と下層との差はかなり激しいし、日本でも大都市部と農村部では経済力は相当違います。農村部や過疎地では経済的な自立ができずに、大都市部で吸い上げた税金を投入して、要約生活ができている地域をたくさん抱えているわけです。そういう地域が混在していても、日本や米国の経済がそれが理由で混乱しているわけではありません。つまりある限定された地域の金利が、別の経済力の地域と連動しているからといって、経済が混乱するとはいえない、ということです。

では問題がないかというと、別の問題はあり得ます。社会的な富の分配です。お金が集まっていく先が国境を越え、税制や富の分配についてしくみが異なる地域だとしたら、集まっていったお金が吸い上げられた地域に環流するしくみがないと考えられます。日本で、大都市で集められた税金をいっさい地方に環流しなければ、地方はたちまち干上がってしまうでしょう。経済力のない地域のなけなしの金が貯蓄などのかたちで経済大国の預金になり、その預金で銀行が稼ぎ出した金の税金は経済力のある国の政府のものになり、その国にしか還元されません。貧しい地域の金は吸い上げられ、豊かな国はもっと豊かになるという構造に陥るわけです。

こうなると社会的に不平等感が高まり、社会不安が起きたり、特定の地域が荒廃して、自然災害が起きるといったことが起きて、実質的に負担が必要になるということなら、わかりやすくなります。

僕は経済や金融にはあまり詳しくないので、もしかしたら金利の違いという藤巻兄が指摘していることにより重要性があるのかもしれませんが、そのあたり、もっと詳しい方はぜひ教えてください。

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