総合学習のフェスタ
土曜日、pollyのいっている小学校で「フェスタ」がありました。総合学習(低学年は生活科)の活動内容を発表するという目的で、5年前からやっている文化祭みたいなイベントです。
pollyのいる5年生のテーマは環境。総合学習が大好き、というより、これが命で学校に行っているようなpollyなので、2学期からいろんなことを調べてきたのだけれど、発表のメインテーマは「新鮮な空気」。
まずは「汚染がない空気」ということで、NOxやSOx、CO2、ダイオキシンなんかについて調べたあと、「じゃあ、新鮮な空気、おいしい空気って何?」という本質に立ち返って調査。でもこれがなかなか情報がない。「たぶん、そういうことの定義はまだないんだと思うよ」という「環境教育者のpacoさんの見解」を説明を出したのだけれど納得せず、目黒区の環境課と、空気について情報発信しているダイキン工業にメールで問い合わせてみたら、とアドバイスしたところ、ていねいな返事をもらいました。両方を総合すると、やはりこれという定義はなく、ダイキンも加わって、今検討会が始まったところなんだとか。でも、質問のイシューがかなり限定されていたので(当然書き方はちょっと教えてあげたけど)、聞かれた人もビビっただろうなあ。でもちゃんとこたえてくれてよかった。
汚染の調査は、六兼屋周辺4か所で調査。NOx濃度を測るキットを学校からもらって、データを取り、という本格的な研究です。
調査結果と、回答を整理して、パワーポイントにまとめてプロジェクターを使って発表。pollyはパソコンの扱いは学年イチの評判で、みんなにあてにされてちょっと自慢だったみたいね。ホホホ。パワポもお手のもんさ。
ちなみに6年生は「将来の仕事」。去年までは国際理解だったのだけれど、今年は「13歳のハローワーク」の影響もあるのか、職業になりました。個人で自分がつきたい仕事について、なり方を調べたり、すでにその仕事に就いている人に仕事のおもしろさを聞きに行ったりして、発表します。ひとりずつ座って、大人に話すので、ちょうど占い師がたくさんいるみたいな雰囲気。「作家になりたい」という、透けるように肌の白い女の子に話を聞いてみたのだけれど、ちょっと自信がない感じで、せっかくいい夢なのに、ね。たぶん、こういう職業は、教師や大人のほうが指導できずに戸惑いがあり、その戸惑いが「あなたのやろうとしていることは難しすぎるし、無理だろうね」というメッセージになっている気がします。
そのくせ、警察官だのエンジニアだのという職業の子は自信がある感じで、これが本当にその子の意志なのかな、という印象も。意志を持たされてしまうのが日本の悪いところ、大人がよってたかって、本心じゃないものを意志に仕立て上げていく。韓国や中国でも同じ傾向があるみたいだけど。自分の意志に忠実になることに、注目させていかないと、すぐに借り物になっちゃうんだよね。
さて、総合学習は今風前の灯火。でもpollyの学校は最初のころ、研究校になっていたこともあって、かなりしっかりやっているほう。pollyたちは実質第一期生なので、5年間、調べ学習や発表を繰り返してきているので、平均値もトップレベルも十分高い。こうしたパフォーマンスは、一般にはほとんど知られていないのだろうなあ。数値評価が取りやすい読み書き計算は、ちょっとやらないと下がるし、ちょっとやれば上がるけど、それがなんだというのか? 調べ、まとめ、堂々と人に発表するというちからは、簡単に測定はできないけれど、簡単に身につけることもできない。基礎学力重視の教育は、薄っぺらだよね。
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