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テロとの戦いがテロを増やしている

前回の記事に、トラックバックをいただきました。ありがとう。

今回の事件で、「自衛隊を引くな」という意見が圧倒的に多いのに、正直すごく驚いている。

911の時、日本では多くの人が「テロとの戦いはテロの連鎖を招くだけ」と、米国政府の行動に批判的な人が多かった。それが、3年たち、日本がイラクに兵を送るほど、テロとの戦いに関与するようになると、テロリストに屈するな、戦え、という人がこんなにも増えてしまった。結局、日本人が911で「テロと戦うな」といったのは、当事者ではなかったから、ということなのか?

現実問題として、911以降の3年半、世界の流血は確実に増えている。テロとの戦いはテロをまったく減らせていないし、罪のない人が死ぬリスクは、ブッシュがテロとの戦争を始めた時点より確実に多くなっている。僕らは、「テロに屈するな」というメッセージによって、さらに世界に流血を増やすことに荷担しているという事実を自覚し、子や孫に話して聞かせる義務がある。

知恵市場のメンバー専用MLでは、この件の議論が続いている。そこでの、僕の発言。

■テロリストの目的は?

僕は、彼らの目的は世界の秩序の破壊、戦争に多くの人間を引きずり込み、抜き差しならない状況にすることにあると思います。すでに米英は引くに引けない状況になってしまいました。世界の反対を押し切って戦争を始めたのに、苦しくなって撤兵することはいくらなんでもできないからです。

スペインは、さっさと撤兵を決めました。テロリストの挑発に乗ることこそ、彼らの目的を達成させることだと気づいたからでしょう。

日本が「兵を引かない」というのは、テロリストはわかっていたことです。だから、間違えて捕まえてしまった韓国人グループは、たまたま所持していた大金を見せられて、あっさり解放した。日本は韓国よりずっと大きな大国ですから、ここで3人を殺せば、日本人は3人や、殺害された外交官のためにも兵を引けない状況になります。日本が兵を引けなくすることが、彼らの目的でしょう。

日本は戦争をしにいっているのではありません。復興をしにいっている。戦争状態になった以上、撤兵してもいいのに、このテロ事件で日本の世論は、「自衛隊は戦争に行っている」ということになってしまった。日本を復興にではなく、「戦争」に巻き込むことが、彼らのねらいです。

テロに屈するなという人が多いのですが、相手の思うつぼにはまるというのは、日本がイラクに留まらざるを得なくなることだと僕は思います。

日本は世界の先進国の中で、唯一、アラブ諸国と政治的な敵対関係を持たない国でした。今回の政府の決定は、アラブの大儀と日本は敵対するという宣言に映るでしょう。それこそ、テロリストに日本へのテロを行う口実になります。

「聖地に兵を送り、モスクを破壊した米英の仲間」として正式に認められることになるでしょう。

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Comments

「自衛隊を撤退すべきではない」、という意見は必ずしも自衛隊のイラク滞在の大儀を支持するものじゃなくて、状況がここに至った中で、撤退することは、2匹目のどじょうをねらった同じようなテロの再発をおそれているからじゃないかと思いますよ。

テロに武力で対抗することがさらなるテロを呼ぶように、テロリストの要求を唯々諾々と受け入れることも次なるテロの引き金になるのではないでしょうか?

僕も今回のような枠組みでの自衛隊の派遣には必ずしも賛成するものではありませんでした。つまり、アメリカ主導ではなく、日本が主体になり国連でアメリカと一線を画すグループを糾合して、占領軍ではない、貢献軍のようなもの(もしくは軍ですらなくて良かったかもしれません)を送り込むという形が理想的だったと思っています。
小泉は「国連にその力がない」的なことを言っていましたが、だからこそ、その国連からそういう力を持ったグループを作り出して、イラクの支援を行っていれば、アメリカの傀儡と見られる可能性も低かったでしょうし、その努力は国際社会で評価されたと思うんですよね。
このあたり、外務省と小泉の外交下手が露呈しているように思います。

ところで、今回のタイトルは「テロとの戦いがテロを増やしている」ということでしたが、今のイラクを見ているともはや「テロ」という枠を超えて、完全に占領軍対それに対抗する地元勢力という構図になりつつあるように感じます。
もちろん、自爆テロや今回のような誘拐はテロでしょうが、サドル派マフディ軍などは2万人近い人員を擁し、私兵とはいえもはや規模的には一つの軍隊ですし、戦闘もテロ的な戦闘ではなく公然と行われる文字通り「戦闘」と化しつつあるように思います。

テロとの戦いに関する論旨については大筋ではPACOさんに賛成ですが、今回はそれでは割り切れない部分に入り込んでいるように思います。

Posted by: Eddie | April 10, 2004 at 19:23

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